2026年05月22日
「1分子計測リキッドバイオプシー」による膵臓がんの早期発見の実現に向けて ―膵臓がんに特異な血液中のタンパク質機能変化の自動計測を可能に―
東京大学大学院薬学系研究科の小松徹准教授、坂本眞伍特任研究員(研究当時)、平出秀人特任研究員(研究当時)、水野忠快助教、浦野泰照教授、理化学研究所開拓研究所 の渡邉力也主任研究員、日本医科大学大学院医学研究科の本田一文大学院教授らの研究グループは、自動計測系に適した1分子酵素活性計測系を用いて血液サンプル中の1分子レベルの酵素活性を網羅的に計測する方法論を開発し、Cell Biomaterials 誌に発表しました。
1分子レベルの酵素活性計測技術は 1960 年代に最初の原理提案がなされ、2000 年代に入ってから本邦の研究者らによる研究を通じて、タンパク質の分子個性を解析する方法論として発展を遂げてきました。2020 年代に入ってからは、本法を用いて多様なタンパク質を含む生体サンプル中に含まれる酵素を網羅的に解析して表現型や疾患に関わるプロテオフォームレベルの機能変化を解析する single-molecule enzyme activity profiling(SEAP)の方法論が提案され、特に血液中の疾患関連酵素を高感度に検出することによる疾患診断の可能性が提唱されていました。今回、計測のプロセスを自動化し,高い再現性をもって SEAP のデータ取得をおこなうことができるプラットフォームが確立されたことで、血液中の1分子酵素活性データの安定的な取得が可能となり、血液中の1分子レベルのタンパク質機能を検出することで疾患の発見、診断をおこなう「1分子計測リキッドバイオプシー」の実用化が大幅に加速することが期待されます。
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